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八点鐘の航海日誌                     

熊本の Bar 八点鐘 (現在は営業しておりません)                                                                          毎日が新しい船出… そんな毎日の「航海」を 書き綴ると致しましょう。

Category :  船長の独り言
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昨日の午前2時過ぎでした。
テーブル席に居らした2組、11名のお客様が席をお立ちになり、ヤレヤレとばかりに煙草を一服していた時でした。

ドアの開く音で我に帰ると…!!!
「イ、 イラッシャイマセ…」
「眼の前に佇んでいらっしゃるのは和服姿の美人!
にっこり微笑みながら、
「未だイインですか?」
「どうぞ、どうぞ!」

お歳の頃は40歳前後?
ふわっとした感じの、真綿紬って言うんでしょうか、紫色の着物に色白の貌と紅い花びらのような唇が…
艶っぽさの中に、凛とした気品も漂っています。

『何処の店の女性だろう?』
と思っていると、和装のショールを肩から下ろしてスツールの背に畳んで掛ける女性の着物の衿の抜き方が お水 の女性じゃありません?

「シャンパンをグラスで頂いても良いですか?」
「ハイ」
グラスに注いだシャンパンを3口ほどで飲み干すと、
「こちらのお店は何時までですか?」
「3時までですが…」
「じゃぁ~ もう1杯お願いします」
2杯目のシャンパンをゆっくり口に運びながら、
「25歳未満お断りのお店ってどんなお店か、一度来て見たかったんですよ」
「そうでしたか。 どこでウチの店をお知りになったんですか?」
「あー、それはビルの入口の看板を見てたんですよ」
「ところで今日はお着物で、何か在ったんですか?」
「イイエ、特別なことなんか何も無いけど主人も留守だし、この着物も季節が終わりだと思ったら、最後に袖を通したくてフラッと…」

『な~んだ、亭主持ちか…』
と気落ちしたことは億尾にも出さず、

「そうでしたか… 良くお似合いですよ」
「でもマスターは、私が水商売じゃないとお分かりになったの?」
「まぁ~ 着こなしが夜の方とは違うから… 若い頃にクラブやキャバレーで働いてたことがあるから見れば何となく分かるんです」
「さっきの店では、『どちらにお勤めですか?』 なんて言われたんですよ…」
「ハハハ、貴女が綺麗だからですよ! 御主人が羨ましいですねぇ~」
すると彼女、
「ハハハ、主人なんて私が何を着てても無関心… 勤めから帰って、『目の前に御飯が並んでたらイイ』 みたいな人だから…」
「はぁ~? そんな事は無いでしょ?」
「イイエ! この前の3連休も何言話をしたかしら? テレビを見るかパソコンをやってるかで、私が何を言ってもウンかハァかしか言わないんだから! 多分、顔もまともに見てないと思う!」
「……」
「夫婦らしい会話があったのは初めの間だけで、今は只の同居人よ! そのくせ煩わしいことは全~部、女に押し付けて!」
余程、鬱憤が溜まっていらっしゃったんでしょうなぁ~
お世辞のつもりで言った、 『御主人が羨ましい』 の一言が彼女の怒りに火をつけてしまいました!

でも、仕方がありません…
それが夫婦なんです。
どんなに美味いものでも毎日喰ってたら飽きてしまいますし、どんなに綺麗な景色でも、そこに住んでたら只の 見慣れた風景 です。

それにしても、私も修行が足りませんなぁ~
「この着物も季節が終わりだと思ったら、最後に袖を通したくてフラッと…」
の言葉に秘められた気持ちを推し量って応対すべきでした…


当店は、お客様お一人お一人のお時間を大切にお過ごし頂く為に、
私の独断と偏見で大人の男と女のお客様限定とさせて頂きます。
25歳未満のお客様と7名様以上の団体様はお断りしています。
(団体様は御予約の場合のみお受け致しております。)


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